朝日新聞の広告

昨日か,今日,初めて見たのだと思う.
一番初めに見たのは,地震で破壊された道路の写真
の上にコピーが重ねられている.
写真は色々なバージョンがあるようだけれど(象牙を焼く,消防隊員,etc),
コピーの方は僕が見た範囲では一種類だ..
いわゆる「悲惨な状況」の写真の上に重ねられる言葉はこうだ.


   言葉は
   感情的で,
   残酷で,
   ときに無力だ.

   それでも
   私たちは信じている,
   言葉のチカラを.


ふむ.
結論から言うと,胸くその悪い言葉!
気分が悪いです.二重三重にむかついてます.
という,全てが直感から導きだされた.
そして,こういう直感は決まって正しい.

この不快感の正体は何か?
は後から考えればいい.

というわけで,要再考.


一つ.もっと言葉はデリケートに使わなければ,
二重三重に罠に陥ってしまうよ.と思う.
(これは完全に表象批評宣言を参考だな)
つまり,この広告を書いたコピーライターと
これを選んだ朝日新聞は言葉をデリケートに扱っていないと思う.
ま,それが言葉の一般的な使い方,あるいは一般的な言葉への意識なのだと思う.

はっきりと僕は文学愛好者だ.
文学は究極的には庶民の側につく,という論も多くあって
僕の敬愛する文学愛好者達もそう言うのだが,
それは願いではあっても事実ではない.
文学は庶民と芸術との間の,徹底的に芸術の側につく.
そして,だからこそ庶民の力にも副次的になりうるだろう.



二つ
新聞は言葉の力ではなく,事実の力を信じるべきだ.
派手な言葉(感情的,残酷,無力,それでも,私たちは,信じている,言葉,チカラ)を
並べ立ててどうする.


三つ
結局,言葉のチカラなんて信じてやいないのだ.
いないのに,写真の力借りてかっこつけてるのだ.
質が悪い

再び,要再考.